所蔵品目録
【4】中村忠二 注 【蒐集雑感】2004年1月2日号参照
1.中村忠二、水彩ミニチュア27点、自作額、2.中村忠二、滝の白糸行記、水彩22点手作り1部本、1969,画集NO115 (写真)
- 女カブトムシ、1974 (写真)
- たねになったひまわり、1974 冬シリーズ (写真)
- れんぎょう、1968 (写真)
- 朝顔、1974 (写真)
- ひげなでしこ、1974 (写真)
- 彼岸、1966 (写真)
- 野あざみ、1974 (写真)
- 麦とんぼ、1974 (写真)
- ホタル蝶、1974 (写真)
- 八重くちなし、1974 (写真)
- 緑カマキリ、1974 (写真)
- 白梅、1974 (写真)
- ヤンマ、1971 (写真)
- 枯すすき、1974,冬シリーズ (写真)
- コガネムシ、1974 (写真)
- じゃのめそう、1974 (写真)
- お茶の花、1973 (写真)
- 冬のひと、1969 (写真)
- トンボ、1971,虫たちと共にシリーズNO49 (写真)
- 紅ばら、1974 (写真)
- サイカチ落実、1975,冬日、葉山、山道シリーズ (写真)
- ゾウムシ、1971,虫たちと共にシリーズNO72 (写真)
- たまねぎ、1974,冬シリーズ (写真)
- グラジオラス、1974 (写真)
- ひぐらし、1971,虫たちと共にシリーズNO63 (写真)
- ふうせん、1969,カラダシリーズ (写真)
- タンポポ(2月)、1968,箱入り (写真)
- 野花の内、ひるがお、1961,17x18
3.中村忠二 井の頭行小記、水彩21点手作り1部本、1970,画集NO131
最終ページに、「閲覧の方サイン下さい」の欄があり、伴敏子を最後に7名のサインがある。 僅か7名とは悲しすぎる数だが、間接的ではあるけれど当文庫の井の頭行小記を閲覧して、今の私たち7万人がそれぞれの心にサインをすれば良いのであろう。 (写真)
4,中村忠二画文集、 花と虫とピエロと、昭和51年、東京新聞出版局、限定610部、自筆水彩画1葉入り
17冊所蔵
限定610部のうちNO.74の自筆原画は「ムラサキアヤメ」、NO.97は「黒あげは」 NO.304はタイトル明記無しの植物図、NO402は「つゆくさ」。NO454は13.5x10の抽象水彩画、1970年12月作品で「ひとを憎むひとがないている、憎むこと、悲しきや」と書かれている。NO.132は8.7x11の水彩画「タベコ」、1968年12月作、裏に「タベコ」の短編詩と書名有り。NO210は「プラタナス枯葉」、NO230は、「手賀沼」(1970年9月作)私家版(番号無し)は、「ねぎの花 もぎる手濡れる 君の体液」。NO162は「ほたるぶくろの花」(1972年6月作)、No242は「冬すみれ」(1968年11月作、サイン)
昭和50年に他界した中村忠二は、武蔵野の荒小屋で拾い集めた紙に一万点以上の水彩画小品を描き残したと言われている。翌年出版されたこの画文集の自筆水彩画1葉付き610冊は、全て異なる遺作610点の可能性が大である。(17点共全く異なった作品であるので、異なる遺作原画610点添付で間違いなさそうである。雑誌で千点を超える肉筆画を添付した例も有るが、その場合は、同じ図柄を数種類早描きするのがほとんどなので、610点の異なる原画添付は極めて異例であり、快挙と言い換えても良いかも知れない。610部以外私家版が何冊あるかは不明。多分数十部か。)もしそうだとすると世界でも類を見ない画文集であり、興味深い今後の研究対象であろう。(写真)
2021年5月12冊目を入手した。私家版でタイトル無しの原画入り。「冬籠ル アロイ、シャボテン、タチ、ミンナ 酒飲ンデイル 僕ヲ見テイル」という画賛が画面左に書かれている。1970年11月作、サイン入り。小品だが秀作である。
2021年6月13冊目(No49)を入手。やや大きめの、カミキリムシの原画入り。「閉じ込められた箱を破り 脱獄 万才 さすがだよねえ カミキリムシ。」と画讃が有る。このように生命感がにじみ出る虫と草花の作品は、地面を這うようにして彼らと共生した画家からしか創りだせないのではないか。
6月末、14冊目を入手。(No115)男女を示唆する抽象原画入り。「だんなに きがねしいしい絵を描いているひとよ 人間の掟 めようと わびしさもあるね めようと」、「めようと」とは、3度離婚し2度復縁した画家伴敏子の事か、それとも「めおと」(夫婦)の事か。何れにしても、異常な倹約家で孤高の芸術家であった忠二と、やはり優れた画家であった敏子との苦渋に満ちた関係に思いを馳せると、この原画を前にして、心が痛む。因みに、忠二の異常な倹約は、友人に無償で贈呈した5冊の限定本画集の為であったと後に判明する。
2022年5月に15冊目、12月に16冊目を入手。勿論全て異なる遺作。16冊目No179には、17pX13pの今にも動き出しそうな素晴らしい牛の水彩画が入っている。この生きているような牛の絵を観て、忠二の並々ならぬ芸術的力量を感じざろう得ない。
2023年12月、17冊目を入手。アロエの絵に画賛が描かれているNo486番本だ。同じ本を17冊も入手するのは狂気の沙汰だが、所収原画は全て異なる作品なので、20冊は入手の予定である。
全17冊、渡辺美術館に展示した。来館なさって、中村忠二の命の一部である作品群を、他の多くの忠二作品と共に鑑賞なさって頂ければ幸いである。(美術館には、この17冊の他に、「水彩画小品27点」、手作り一部肉筆本「滝の白糸行記」、「井の頭行小記」、原画入り限定本「秋冬集」、「白黒篇」、「春夏集」、「花と蟲」、「蟲たちと共に」を展示している。)
5,秋冬集、中村忠二、アポロン社、1972,限定200部
6,白黒篇、同、1973,限定200部
7,花と蟲、同、1974,限定150部
8,中村忠二詩集、願望、冥華社、伴敏子発行、伴サイン
9、黒点、画家忠二との生活、伴敏子、昭和52年、伴の手紙添付
10,ある画家の生涯と芸術展、中村忠二、兵庫県立近代美術館、1978
11,春夏集、1973,アポロン社、限定200部
12,らくがき集、1997,六文社
13,虫たちと共に、1972,私家版、94ページ掲載作品「シジミ蝶」原画入り。「秋冬集」、「白黒篇」、
「花と虫」、「春夏集」の4点については、「花と虫とピエロと」の141ページ限定部数が記されているが、この画集の限定部数は不明。ただし100点の作品が掲載されており、それぞれに原画が入っているとすれば限定100部ではと推定される
14,「1964,4月 富山行」、14x22.5、モノクロ肉筆画、(中村忠二著作権者様から御寄贈頂きました。他に作品の写真、展覧会案内状他多数頂きました)
15,花と蟲 1974 カフェギャラリー縁 2001年
16,東平哲弥(とうべいてつや)、「浅間の雪」、パステル、1998年、(氏は中村忠二の著作権者、このパステル画は、不思議なエネルギーを感じる秀作である。)
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【19】海外油彩画
【20】洋書2、生田耕作旧蔵本
【21】関野準一郎
【22】川上澄生
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【28】古沢岩美関係本
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【30】芹沢_介関係本
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【35】田川憲関連作品
◆蒐集雑感