愛の三行詩
第一章
風よ
やさしさを ささやけ
ルビー色のナイフに
〜母性による人類の進化にむけて〜
その8 極北の町へ |
あのひとがすぐ戻ると言って出ていってからもう2年。 うわさではきれいなあのこと遠い北の町に住むという。 行くことに決めました。極北の町へ。 ただ一言、さようならを言うために、 ナイフを持って。 |
その13 無理矢理するのはくさいニャー |
彼がプーとした時、彼女が大笑いしたことがあったので、 ベンチでわがまま泣きしている彼女に、彼はプーと 口まねをした。 彼女はサイテイ!と言って泣きつづけたので、彼は ほんとうにがんばってブーとした。二人は仲直りした。 ベンチの下の猫が言う、無理矢理するのはくさいニャー。 |
その49 私は女、無血革命のために |
彼はかつては、革命家。何を、どう、何に向かって 変えるかもわからず、ただ組織への恐怖だけで つっぱしった哀れな政治の犠牲者。 多くの人を傷つけ、多くの人に憎まれて、女である 私がいなければ廃人も同然。 彼は言う、「夜が恐い。」 私は言う、「私は女。恐ろしい夜をめくるめく 夜にしてあげる。人類進歩のためのあなたの 新たな無血革命のために。」 |