久保貞次郎研究所

リーフ
「久保貞次郎研究所2010年7月月報」
〜6月28日真岡青年会議所勉強会での同研究所代表の講演会について〜


 
7月月報として、真岡新聞7月9日号に掲載して頂きました講演会の記事を紹介させて頂きます。


渡辺淑寛久保貞次郎研究所代表、真岡青年会議所勉強会で久保氏について講演

 6月28日月曜日真岡商工会館にて午後8時から9時15分まで、久保貞次郎に関して、渡辺氏のよる講演会が開かれた。真岡青年会議所の主催で、40名近くの会員が参加し、熱心に聞き入っていた。
 久保氏は、@美術評論家、A美術品蒐集家、Bヘンリー・ミラー絵画の紹介者、C若手芸術家のパトロン、D現代版画のプロデューサー、E創造美育教育の創設者、Fエスペラント学会会長、G全ての人が3点のオリジナル版画を持つという小コレクター運動の提唱者、H跡見学園短期大学学長、I町田市立国際版画美術館館長、などの多面的な業績があり、余りに多岐にわたるため、久保氏の総合的な研究は、その困難さゆえ、ほとんどなされていない。渡辺代表の講演内容は、その総合的研究の一つの試みであり、これほど業績に秀でた文化人に対して、日本アカディズムの評価が余りに低すぎるのは、評価の困難さと、滝川太郎贋作事件にあるのでは、と、渡辺代表は推論した。
 渡辺代表の話〜毎夏、渡辺私塾台町本校高等部高2英語内の「言語と芸術」で、13年前に真岡新聞に掲載しました「久保氏追悼文」を読み、高2生全員に、久保氏の業績を簡単に説明してきたのですが(今年は6月25日終了)、今回、熱心な真岡青年会議所会員の皆様の前で、「全ての人が芸術家である社会に向けて」をベースにした久保貞次郎試論を試みることが出来ました。講演会を計画して頂きました青年会議所の皆様に心より感謝致します。
 この「試論」につきましては、きちんとした文章にして別の機会に譲りたいと思います。今回は、真岡青年会議所の活動について、謙虚な青年達に代わってこの場をお借りしまして、簡単に述べさせて頂きます。
 真岡青年会議所は、20歳から40歳までの世界平和を願う芳賀郡内青年有志によって構成され、総務委員会、長期ビジョン策定委員会、地域教育委員会、JAYCEE力向上委員会、会員拡大交流委員会、芳賀未来創造委員会、日本型経営推進委員会の7つの委員会を持っている。各委員会は独自の活動を行っており、久保氏の思想を受け継ぐ「創造美育運動勉強会」や「芳賀教育美術展」は、地域教育委員会が実質運営している。ほとんど消滅していると思われていた、久保氏の「創造美育思想」が、何と芳賀の青年達によって、脈々と永々と受け継がれて来たのである。そして「芳賀教育美術展」は今年で24年目を迎えるという。更に驚くべき事に、彼らは、少なくない年会費を払ってまで、ボランティア活動に没頭している。彼らは、声高に自慢する訳でもなく、僅かな賞賛を求める訳でもなく、誰かに媚びる訳でもなく、ただひそやかに爽やかに活動している。
 私は彼らの純真無垢な笑顔に接し、「久保貞次郎研究所」を立ち上げることを決心した。私は、「言語と芸術」講義で、高2生に久保氏について語るだけで自分の使命は果たしているという安易な考えを恥じた。私は、彼らの無私の活動に僅かでも支援できることを、自分の喜びとする。私は、彼らの利他の活動を、人類の進化への確かな歩みだと見る。私は、彼らを、久保氏も私も夢見た、遥か数千年後、全ての人が芸術家である社会に向けての、屈強な若き戦士達だと、密かに思う。
 真岡青年会議所に幸あれ。真岡青年会議所万歳!〜