そのきっかけとなったのは、ウィスキー蒸留業者に対する政府の厳しい課税であった。業者達は税朿の目を逃れて山間に潜伏し密造するようになった。その際、
大麦麦芽を乾燥させる燃料として野山に無尽蔵に埋もれているピート(草炭)で代用しなければならなかった。 また、公然とは売れないため買い手が現れるまで不要になったシェリーの空樽に詰めて隠匿しなければならなかった。ところがこうした苦肉の策がむしろウィスキーの風味向上に役立つことがわかったのである。ピートの煙臭はウィスキーの味をさわやかにし、シェリー樽での長期保存はウィスキーの味にまろやかな熟成感を与える結果になったのである。 それ以来スコッチウィスキーは、
ピート香付与・樽熟成・琥珀色で出荷という事が基本となった。
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