建設委員会 
 行 政 視 察 


建設常任委員会では、7月4日(月)〜6日にかけて、石川県白山市と
滋賀県高島市へ行政視察に赴きました。今回は、
@ハイウェイオアシス整備事業 
A市営住宅の管理・運営
の2つがテーマでした。



 今回の視察では、下記の金額が公費でまかなわれました。
(3日間:議員一人あたり)   . 

総額 86,570 出所 議会費のうち旅費
内訳  交通費、宿泊費、相手先みやげ代、議員日当など
※ 当然のことですが、視察中の飲食代は、全て議員の自費負担です。
※議員日当(3,300円×3日)の是非については今後も課題としていきたいと
考えております。



なお、視察の詳しい所見については、以下をご覧ください。




1.石川県白山市(ハイウェイオアシス整備事業)

石川県白山市は平成17年2月1日、松任市をはじめ1市2町5村の合併により誕生した人口約11万2,000人の市である。
 今回の視察目的となった「徳光ハイウェイオアシス」は昭和62年に建設省(現国土交通省)の認定を受け、平成8年3月、旧松任市内に完成した。高速自動車道の休憩施設としてばかりではなく、都市公園や温泉施設などを一体的に整備し、ドライバーたちに潤いのあるスペースを提供している。ちなみに、開業までにかかった総事業費は、157億2,700万円であり、うち約89億円が、国、石川県、さらに日本道路公団の補助金などでまかなわれている。
 この「徳光ハイウェイオアシス」において特筆すべき点は、従来型の「パーキングエリア」に、一般道の「道の駅」を複合させた施設(まっとう車遊館)を整備し、第3セクター方式で運営していることにある。金沢市と隣接していることもあり、近江町市場から運ばれてくる鮮魚をはじめとして、金沢市内の特産品が豊富に販売されていた。また、こうした施設の宿命ともいえる、短期滞在という弱点を克服しようと、大衆演芸場やゲームコーナーを設置しているなど、経営側の努力の跡をうかがうことができる。
 しかし、「徳光ハイウェイオアシス」全体の利用者を見ると、平成10年度の310万人をピークに、16年度は267万人に減少している。この原因を考えてみると、次のようなことが挙げられるのではないだろうか。

@「この場所でしか手に入らない」という商品がない
 大半が金沢市内で販売されているものであるため、金沢を目的地としている多くの観光客にとって、この場所で買い物をする必然性が見あたらないというのが現状である。やはり、白山市でしか手に入らない商品を中心に据えるなど、他の場所との差別化を図る必要があるのではないだろうか。

A店舗が多種で統一したコンセプトが見られない
 大衆演芸場やゲームコーナーを設置したことは前に述べたとおりだが、店舗の種類が多岐にわたっており、それがむしろ、施設全体の統一感を失わせているという感想を抱いた。ちなみに大衆演芸場は、その後集客が見込めず閉鎖されたようである。やはり店舗の構成については、利用者が短期滞在であることを前提として、コンパクトにまとめるべきであろう。

B施設内部が更新されないことによるマンネリ化
 開設して10年に満たないのだが、施設内部にはすでに老朽化した箇所も見られた。こうした観光施設において安定した集客を求めるならば、開設したことだけに満足せず、その後も一定の資金を投入し続けることによって、マンネリ化を打破する努力が必要なのだと心得るべきである。
 真岡市においても、これまで「サービスエリア」や「道の駅」の整備について議論されてきた訳であるが、仮に実現させようとするならば、今述べたような先進地の課題についても視野に入れ、慎重に検討されるよう要望したい。


2.滋賀県高島市(市営住宅の管理・運営)

滋賀県高島市は琵琶湖の西部に位置し、平成17年1月1日、旧高島郡を構成していた5町1村が合併して誕生した人口約5万5,000人の市である。
 同市は、平均所得が・・・という状況だったこともあり、以前から公営住宅に対するニーズが高かったと言われている。現在、市内には881戸の市営住宅が用意されている。また昭和30〜40年代に、旧町村によって建設されたものが多いため、町村合併を控えた時期と建て替え時期の重なった公営住宅がいくつか見られる。
 そのうち、私たちは旧新旭町で平成15年に完成した「北畑団地」と、旧安曇川町で現在建設中の「新西万木住宅」を見学することができた。

@北畑団地(25戸)について
 合併直前に新旭町長を務めていた海東英和氏(現高島市長)が、地元の文化・長所を再発見する取り組みを行っていたこともあり、この北畑団地は地元木材を使用した木造住宅で、全戸が平屋建てまたは2階建てとなっていることが最大の特徴である。また、太陽熱を利用した温水器を設置し、さらには壁やタイルなどに自然素材・リサイクル材を使用するなど、環境にも配慮されている。

A新西万木団地(50戸)について
 旧安曇川町で整備を進めている新西万木団地は、平成17年11月の完成を予定している。鉄筋コンクリート構造の4階建てで、そのスケールメリットを活かし、単身者向けから障がい者向けまで、幅広い層を対象にした部屋が用意されている。また、付帯施設として、公園、緑地のほか、約30畳ほどの集会場も整備予定となっている。
 なお、北畑、新西万木いずれの団地においても、段差解消や風呂・トイレへの手すり設置など、バリアフリー対策もとられている。
 さて、真岡市の現状を見ると市営住宅が管理個数が390戸と、栃木県内の他市と比較してもその数は少ないと言える。だが一方で、市営住宅への入居倍率は、最近行われた抽選の結果を見ても8倍にのぼり、市民のニーズはいまだに高いのが現状である。今後は市民の要望を聞きながら、「真岡市住宅マスタープラン」を基本とし、老朽化が進む荒町、大田山団地の建て替えについて、区画整理地内の保留地利用や民間資本の活用といった課題も考慮しながら、質の高い住環境づくりに努めるべきと思われる。




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