新世紀・公明クラブ
会 派 視 察 研 修
11月6日〜9日にかけて、中村が所属する会派
「新世紀・公明クラブ」
では、
沖縄県石垣市、那覇市、宜野湾市へ会派視察研修へ赴きました。
今回は、
@木綿製品によるまちおこし
Aベンチャー企業の支援
B男女共同参画社会に向けた施設整備
がテーマでした。
今回の視察では、下記の金額が公費でまかなわれました。
(4日間:議員一人あたり) .
総額
161,380
円
出所
政務調査費
内訳
交通費、宿泊費、相手先みやげ代
※ 当然のことですが、視察中の飲食代は、全て議員の自費負担です。
なお、視察の詳しい所見については、
以下
をご覧ください。
1.木綿製品によるまちおこしについて
視察先 沖縄県石垣市
◎視察目的
今年は真岡市政50周年の記念の年であり、記念事業の一環として「織姫・木綿フェスタ」が開催される予定になっていた。
真岡木綿は、江戸時代、文化・文政年間には年産38万反を織り出し、真岡の特産品として知られておりましたが、明治以降、機会織りや輸入木綿に市場を奪われ、終戦後は自家用程度に織られるくらいになってしまっており、この現況下に、何人かの先達方が復活事業に取り組みましたが、失敗に終わっていた。
真岡商工会議所では、昭和59年から60年にかけて、特産品開発委員会により真岡木綿の復活について検討がなされた結果、「松坂木綿」復活の例に倣い、昭和61年7月に「真岡木綿保存振興会」を結成し、幾多の苦節はありましたが「復活」に成功することができた。これは偏に指導者である、沖縄県石垣市、高嶺幸子様、足利のピープル工房を主宰する、近藤先生、京都の川島織物の講師をしておられた、大友先生、織り娘の皆様、織り機を寄贈していただいた真岡市内の企業の皆様、保存振興会の会員の皆様、はじめ関係機関団体のご指導、ご協力、ご支援をいただいた。
今後も会議所と共に真岡市は木綿振興に全力を傾注する必要があり、「ゆう(木綿)の郷」のますますの振興発展を図るため。
沖縄県石垣市の概要
所 在 地 沖縄県石垣市美崎町14番地
人 口 44,000人
地 勢 19の島々からなる八重山郡島の中核をなす一島一市であり、
市域面積は222.64キロメートル
歴 史 戦後、米軍統治のもとで昭和22年に市政が施行され、産業基盤
の整備を進める中でさとうきび・パイン等の産業が急速に展開さ
れた結果、市民生活に活気がみなぎり、昭和39年には隣接する
大浜町を編入合併し、石垣島全体を行政区域とする新石垣市が
誕生している。
産業経済 1.農業
基幹作目であるさとうきび、パイナップルを中心に水稲・葉た
ばこ・養蚕など多角的な経営がされている。
2.畜産
肉用牛の改良増殖に力を注ぎ、生産から肥育までの一貫経営
体制づくりの指導強化に努め、牧草改善、飼料対策、草地対
策等を積極的に進め、資質の優れた銘柄牛の作出している。
3.水産業
黒潮の東縁に位置しており、近海に好漁業を有しており、国
営栽培漁業センターでもつくり育てる漁業も推進している。
4.観光
風光明媚で亜熱帯性気候であり、エメラルドの海や青い空を
求めて、一年中観光客が絶えない風土をしている。
所 見
沖縄県石垣市を初めて訪問したが、真岡市がお世話になっている(有)みね屋社長の高嶺幸子様の説明には説得力と商才には敬服した。高嶺社長に話を聞いてみると、昭和55年、石垣市の織物後継者育成事業で研修生として八重山上布の技術を習得した。八重山上布は一般的に着尺に織り上げられており、品質の維持・改善・向上を図るための検査をクリアーしなければせっかく織り上げても商品価値がなかったようである。そこで高嶺社長は研修生に織り上げた着尺を着物以外に利活用出来ない物かと模索し、袋物などの製品作りに目をつけた。
結果として出来上がった製品は観光客などに好評であり、徐々に需要が高まっていったとのことである。
昭和58年には(有)みね屋を設立し、織物内職者約100名を契約雇用し、大量生産に備えた体制を築いた。発想の転換も素晴らしい物があり、従来の織物の用途は反物から着物へ仕立てるのだが、消費者の着物離れにより反物の販路拡大は厳しい状況にあったため、事業を興すに当たっては、伝統工芸を現代社会へ取り込むことを視野に入れ、商品構成を考えたようだ。
昭和60年には八重山ミンサーと花織りの技法を考え出し、「花織りミンサー」として独自の織物を創作している。
平成3年には通商産業省中小企業庁の補助事業として採択され、八重山上布から洋服地への研究開発にも取り組み、結果として洋服地の機織り機によって商品開発の幅が広がり、おしゃれなスーツやみんさウェアをはじめ、ホテルの内装、タペストリー等へと商品構成が広がっていった。
平成10年には「みね屋伝統手織工芸館」を建設し、見て、体験できる工房、多くの商品の展示販売が可能になり、年間来館者数は8万人、売上高2億円を超える企業に発展している。
真岡木綿は、江戸時代、文化・文政年間には年間38万反を産し、江戸の木綿問屋の扱う木綿の60%が真岡木綿であった。しかしながら明治以降は、機械織りや輸入木綿に市場を奪われ、終戦後は自家用程度に織られる位になってしまった。
しかしながら、もう一度真岡木綿を復活させようとの気運が高まり、昭和61年には、商工会議所の役員・議員により、真岡木綿保存振興会が結成され、平成12年には真岡木綿工房を設置するまでになっている。
今回の視察を通じて感じたことは、まずはアイテム数の違いであった。真岡木綿の製品数が約50点に対して、「みね屋伝統手織工芸館」の製品数は約500点ということであった。一つのバッグを見ても大きさの違いが最低3種類、多い物で5種類になっており、色も数種類用意してありますので、購買意欲を誘い出す商品構成になっていた。
製品販売コーナーには隣接して機織り工房が設置してあり、手の届く範囲内において、機織り・販売がリンクしており、理想的な販売形態だと感じた。
真岡市においては物産会館にて販売、もめん工房にて機織りを行っていますが、工夫が必要である。
ネーミングも物産会館では何があるのか分からないので、真岡もめんを全面的に販売促進するものであれば、(仮称)真岡もめん館などの名称に変更すべきと感じた。
2.『那覇市IT創造館』について
1.はじめに
スイスのシンクタンク『国際経営開発研究所』による、世界主要国の国際競争力ランキングによれば、日本は1986年から93年までは1位を占めていたが、94年から転落がはじまり、2000年には47ヶ国中17位にまで低下している。この数字は、既存の産業が硬直化し、社会全体が閉塞感に覆われていることを、如実に物語っているのではないだろうか。今、国内の様々な地域で、ベンチャー企業の支援策が花盛りであるのは、こうした背景があると思われる。
真岡市においても、2003年1月に商工会議所が中心となり、ベンチャー企業の創業支援施設(インキュベート施設)『MOP21』を開設した。しかし、空き店舗を活用しているため8部屋程度のスペースで、十分な施設とは言い難い。
新しい地場産業を興すために、ソフト・ハード両面において、今後どのような施策が必要なのか。今回の視察はそこがねらいである。
2.『那覇市IT創造館』の概要
今回視察に赴いた那覇市IT創造館は、2003年4月に開設された。現在、沖縄県内には16のインキュベート関連施設があるが、その中でも最も新しい。
総工費9億8900万円(うち国庫補助6億5700万円)をかけて新たに建設された5階建てのビルは、
(1F)駐車場
(2F)事務室、研修室、会議室、インターネットカフェなど
(3F)中核企業室、会議室など
(4F)相談コーナー、インキュベートブース、OJT企業室など
(5F)インキュベート室、会議室など
というように配置されている。このうちベンチャー企業は、インキュベート室(8部屋)と、1部屋を区切って使用するインキュベートブース(5ブース)に入居できる。いずれもIT関係のベンチャー企業などで満室の状態である。
入居年数は3年間を限度としており、1部屋の家賃は2万7000円〜4万3000円程度。これらの点は真岡市のMOP21と同様といえる。
3.その特徴は
@『インキュベートマネージャー』の存在
那覇市IT創造館の特徴としてまず挙げられるのは、専属常勤の『インキュベーションマネージャー』がいることではないだろうか。同施設のインキュベーションマネージャーは開設前の段階から、民間企業出身の岡田良氏が就いている。施設を建設する際のコンセプトづくりから、現在の運営に至るまで、1人の専門家が総合プロデューサーとして関わっている点は、大いに注目できる。
現在、岡田氏の主な仕事は、入居しているベンチャー企業13社の経営指導である。各企業への情報提供、融資関係のアドバイス、さらには事業面で提携ができそうなベンチャー企業や中核企業の斡旋などがそれである。
しかし、岡田氏は、「今後1番力を入れていきたいのは、ベンチャー企業の泣き所とも言われている、営業面での指導である」と語っている。相手先での売り込み、プレゼンテーションなどにも岡田氏は積極的に付き合っているほか、1ヶ月に1度営業の講習会を開催している。常勤の専門家がいる強みであるといえよう。
また、このほかに事務局にも5名のスタッフが常時おり、入居企業の経理指導などをしている。
AOJT(On the Job Training)企画室
琉球大学や沖縄国際大学など県内の大学に通う学生達が、連日この部屋に集まり、企業の仕事を実際に経験し、ITに関する知識や技術を習得している。私たちが視察した日も、5〜6名の大学生がこの部屋で活動をしていた。
第1の目的は、起業家を目指す若い人材を育成することにある訳だが、その一方で、学生のアイデアや日頃の研究成果を、ベンチャー企業が活用するという意味での『産学連携』も、今後推進しやすいのではないだろうかと感じた。
4.今後の課題
那覇市IT創造館に入居している企業を見ると、そのほとんどが地元民によって創業されている。「多失多発型(倒産件数は多いが、その一方で多くの企業が新たに創業している)が沖縄の特徴である」と、前述の岡田氏も指摘している。つまり、ほかの地域で見られるような、「ベンチャー企業を育てるまではいいが、成長すると別の地域へ行ってしまう」という流動化の問題は、那覇市の場合起こりにくいものと思われる。
であるならば、やはり今後の課題として、成長したベンチャー企業が活動する場所というものが、どうしても挙げられるのではないだろうか。今回の視察では、那覇市IT創造館がスタートアップ期の施設としては非常に立派なことに驚かされたのだが、逆に立派であるが故に「次の段階に入った企業の受け皿はどうするのか」という疑問にぶつかったのも事実である。
入居第1期の企業が卒業する平成18年以降、行政がどう対応していくかが注目される。
5.所見〜今後の『MOP21』を考えながら〜
最後に、真岡市で開設されている『MOP21』と比較しながら、所見を述べてみたい。
単純に施設の面だけを見ると、空き店舗を活用しているMOP21と、新築5階建ての那覇市IT創造館では比較にならない。しかし、MOP21に現在入居している8つの企業から話を聞く限り、施設面での不満は出ていない。そう考えれば、低コストでこの類の施設を運営している本市のケースは評価されていいだろう。
今後はその特性を活かして、さらに施設を増やしていく努力も必要であるのではないだろうか。満室であるために入居を断られた企業が、この2年間で4社もあったと聞く。加えて注文をつけるならば、業態に応じた様々な大きさの部屋や、MOP21を卒業後に入居できる施設も順次整えられれば、ベンチャー企業の育成に大きな役割を果たすと思う。
しかし、今回の那覇市での視察を終えて痛感したのは、やはりソフト面における差の大きさである。
インキュベートマネージャー的存在を考えると、MOP21の場合は商工会議所の職員が経営指導を担当しているものの、あくまでも別の業務と兼ねてるため、那覇市のように営業面に至るまでの親身になったアドバイスというものは、現時点では難しい。
また、次世代の起業家育成という課題となると、現状では全く行われていないと言ってよい。今後はコンピュータ・カレッジをはじめ、地元教育機関との連携も必要になるのではないだろうか。
いずれにせよ、新しい地場産業とその人材育成というものを、今後真剣に考えていくならば、商工会議所と行政が今まで以上に協議をし、その中で専門的なアドバイザー・プロデューサーを置く準備を進めるべきであると考える。
3.男女共同参画社会に向けた施設整備について
視察先 宜野湾市人材育成交流センターめぶき
◎視察目的
市民の多様な人材交流と将来を担う人材育成の推進を図ることを目的に宜野湾市人材育成センターめぶきを設置している。
◎事業内容
国際児等の人材育成・支援に関する事業
男女共同参画の推進に寄与する人材の育成に関し、女性に関する諸問題についての学習及び交流、その他女性の地位向上に資する事業。
国際交流事業の推進に関する事業
その他、目的達成のために必要な事業
◎施設概要
名 称 宜野湾市人材育成交流センターめぶき
所 在 地 宜野湾市志真志1丁目15番22号
敷地面積 2,519.24 平方メートル
建物面積 694.82 平方メートル
研修室 182.98 平方メートル
保健室 20.16 平方メートル
事務室 32.64 平方メートル
相談室 12.01 平方メートル
図書室 22.23 平方メートル
その他 178.64 平方メートル
一階部分 394.27 平方メートル
二階部分 300.55 平方メートル
屋外交流 788.00 平方メートル
駐 車 場 1,069.19 平方メートル
所 見
宜野湾市人材育成交流施設めぶきは設置及び管理に関する条例をセンターの設置目的を達成するために平成15年4月1日から施行している。
市の将来を担う人材育成を育てさまざまな人々が交流する場、男女共同参画、国際交流をすすめ、学び・ふれあいを感じる実践の場としても、多くの皆さんの参画に寄与している。
開館時間も月曜日から金曜日までは午前9時から午後9時であり、土・日曜日は午前9時から午後5時までであり、研修室は20人〜30人までの利用が可能であり、男女共同参画、国際交流に関する講座等が開催され、和室(畳間)を生かした研修室(兼保健室)もあり、自主保育施設としても利用が可能な為、子ども連れでも学習・研修が出来るようになっている。また、図書情報コーナーとして、自由に情報収集したり、個人及びグループの自主活動を支援するため、機器等の貸し出しも行っていた。
その他利用できるものとして印刷機(輪転機・ただし紙は持参)、帳合機、製本機、裁断機、デジタルカメラ、テープレコーダであり団体登録する事によりロッカーの借用やメールボックスの設置が可能である。
人材育成交流施設めぶきの由来は新芽が萌え(芽吹き)成長していくように、この場所から素晴らしい人材が育っていくことを願い、市民公募により命名されていた。
本市に於いても、このように充実した施設を望み、それに向けての取り組みを期待したい。
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