中村、9回目の登壇!
6 月 定 例 議 会

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「6月定例議会」の質疑・一般質問が9日(木)、10日(金)の2日間にわたって行われました。中村は2日目にあたる10日(金)のトップバッターとして登壇し、

1.芳賀赤十字病院の医師不足と今後の救急医療体制について
2.NPO・ボランティア団体に対する活動支援について
3.『つくばエクスプレス』開業に合わせた真岡鐡道と関東鉄道の連携強化について


の計3件の一般質問を行いました。


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質問:中村かずひこ
質疑・一般質問 答弁:福田 武隼 市長

 1.芳賀赤十字病院の医師不足と今後の救急医療体制について
(1) 芳賀赤十字病院の内科医が大幅に減少し、夜間の2次救急が困難な状況におちいっている。これは『臨床研修医制度』の実施により、大学病院が派遣していた医師を引き上げたことなどによるものである。しかし近年、総合病院に患者が集中する傾向が強まっていることを考えると、住民と医療機関の関係を根本から見直す絶好の機会を迎えたとも言える。
市や医師会が広報誌などを通じて、開業医の情報を市民に提供するなどして、欧米では常識化している『ホームドクター制度』を推進し、予防医療の分野を強化してはどうか。
【答弁】 病状を訴えられない子ども、持病や複数の疾患を抱えている人、また、勤務先での定期健診が受けられない専業主婦などは、ホームドクターを持った方がよい。
総合病院への集中を減らす意味もあるので、今後は広報誌などにより、診療所の紹介を含めて『ホームドクター』を推奨していく。
(2) 乳幼児の医療費助成を申請する手続きが、大変複雑であるということは、これまで各方面から指摘されてきた。だが、総合病院の小児科の場合、『保険診療点数付き領収書』が発行されるため、個人経営の小児科医院より手間が省ける。こうしたことも、総合病院に患者が集中する要因であるように思われる。
個人経営の小児科医院などに対して『保険診療点数付き領収書』を発行するための機材購入について補助することはできないものか。
【答弁】 『保険診療点数付き領収書』は発行が義務付けされており、小児科医院では全部機材が入っていると思われる。
小児科医院などに限定して補助することは、公平性に問題があることから、現在の段階では難しい。
(3) 芳賀赤十字病院は、2次救急の拠点施設である。つまり、真岡市民をはじめ芳賀郡市に住む人々は、心筋梗塞や脳出血などでより高度な治療が必要な場合、3次救急の施設(自治医大、独協医大、済生会宇都宮病院)まで搬送されなければならなかった。
今後、芳賀赤十字病院における医師の招へいが一定の目標に達した段階で、可能な限り救急医療に特化し、3次救急を可能にする医療施設に変えていくことはできないものか。
【答弁】 3次救急としての救命救急センターの整備については、人口50万人に1ヶ所整備することが目安となっている。
栃木県では、人口200万人に対して、3次救急の拠点施設が5ヶ所あり、40万人に1人の割合である。現状では、新たな拠点は整備しない方針とのことである。
(4) 県内の中核病院を見ると、芳賀赤十字病院のような医師不足が見られない。特に、今市、小山市民、足利赤十字の3病院では、昨年より今年の方が医師は増えている。こうして考えると、芳賀赤十字病院における医師の人材確保体制そのものに、何か大きな問題があったとしか思えない。
行政サイドからも病院の体質改善を強く求める必要性があるのではないか。
【答弁】 今回、芳賀赤十字病院が内科医不足におちいった原因は、『臨床研修医制度』のほか、交通の便や労働条件の面によるものと思われる。
いずれにしても、病院側にはもう少し早い時期から医師確保のために対応してほしかった。今後は県内の医科大学とも連携をよくしてもらいたい。

 2.NPO・ボランティア団体に対する活動支援について
(1) 平成18年度からの『指定管理者制度』導入や、『2007年問題』などを控えて、NPOやボランティア団体に対する期待が大きくなっている。しかし、真岡市では乗り越えなければならない課題がある。
その1つがNPOやボランティア団体に対して、助言やコーディネートをする『中間支援団体』が真岡市にはないということだ。県内他市ではすでに設立している所も多い。真岡市も関係各機関に『中間支援団体』の設立を働きかけていくべきではないか。
【答弁】 真岡市においても、NPOやボランティア団体の中から、中間支援団体設立の要請が高まれば、関係各機関への働きかけを行いたい。
(2) NPOやボランティア団体に対する市の窓口は、総務課、生涯学習課、社会福祉協議会などに分かれており、市民にとっては大変に分かりづらい。
全国各地の自治体では『市民活動推進課』を設置し、窓口を1本化している所が増えてきた。真岡市も同様の取り組みをしてみてはどうか。
【答弁】 現在、さまざまな分野でNPOやボランティア団体が活動しており、市の担当窓口も分野ごとに分かれているため、団体同士の連携が図りづらく、十分に能力を発揮できない場合がある。
協働のまちづくりを進めるためにも、将来は総合案内所的な窓口を設置していきたい。
(3) NPOやボランティア団体の活動場所が少ないということも問題の1つとして挙げられる。そうした中、県内他市では『総合ボランティアセンター』などの名称で、活動場所を新設するケースも多くなった。しかし、そうした所は年間の維持費が数千万円もかかっている。
そこで、前回の定例会議で提案した『ベンチャー企業の支援施設』と『NPO・ボランティア団体の活動拠点』を併設し、市の中心部の空き店舗を活用して整備してみてはどうか。これならば、運営費の大半をベンチャー企業からの家賃収入でまかなうことができ、さらに周辺の商店街への経済効果も大きいと考えるが。
【答弁】 市としては、当面、現有施設を有効活用してほしいと考えている。しかし、県内では6市でボランティアを支援する施設が設置されており、今後、拠点施設については関係各機関の意見を聞きながら、設置形態や運営の問題について検討したい。
また、ベンチャー企業の支援施設については、県の補助事業が完了しているため、設置は困難なものと考えている。

 3.『つくばエクスプレス』開業に合わせた真岡鐡道と関東鉄道の連携強化について
(1) 8月24日の『つくばエクスプレス』開業に伴い、関東鉄道常総線では下館〜守谷(つくばエクスプレスの停車駅)間に快速列車を走らせることが決まった。真岡鐡道でも、関東鉄道のダイヤに合わせて、快速列車を走らせることはできないものか。もし可能なら、真岡〜秋葉原(つくばエクスプレスの終着駅)間が1時間40分程度で結ばれることになるが。
また、関東鉄道の下館駅発車・停車時刻に合わせて、真岡鐡道のダイヤ改正は行えないものか。
【答弁】 真岡鐡道は単線であることに加え、交換駅である市塙、七井、西田井、真岡、久下田、折本の6駅には停車しなければならないため、快速列車を走らせることは不可能である。
また、真岡鐡道のダイヤについては、利用者の76%が定期通勤・通学であることから、JR下館駅の列車運転時刻にあわせ、接続時間の調整を行っているのが現状である。利用者の利便性を考えたとき、ダイヤの改正は難しいと考える。
(2) 真岡鐡道、関東鉄道、つくばエクスプレスが共同して、割引キップを販売することはできないものか。
仮に、真岡〜秋葉原間を3,500円程度で乗り降り自由に、さらに東京メトロや都営地下鉄とも連携しあうようになれば、現在JRが販売している『東京自由キップ』に対抗できる商品になると思うが。
【答弁】 『つくばエクスプレス』が8月24日から営業開始されるとのことなので、運行状況などを見ながら、3社が連携しての割引キップ販売については、今後の課題として検討したい。


再 質 問
 → 小児科医院が発行する領収書について
小児科医院の『保険診療点数付き領収書』については、すでに全ての小児科医で発行しているとの答弁であった。つまり現在は、『保険診療点数を記入してもらうために、小児科医の受付に行く手間を強いられている親は完全にいなくなった』と考えてよいのか。
【答弁】 保険診療点数付きの領収書を発行していないところがあれば、今後発行するように要望をしていきたい。
 → 3次救急の問題について
3次救急の環境については、十分に整っているとのことであった。しかし、現状では真岡市内の中心部から自治医大まで20分、独協医大まで30分、済生会宇都宮病院まで40分も救急車でかかる。
命の瀬戸際ということを考えると心許ないと思うが。
【答弁】 宇都宮市内でも、20分で3次救急の拠点まで到達できない地域も多い。
これに対して、真岡市は自治医大、独協医大がほぼ同じ距離にあり、他の自治体と比べても、3次救急の環境は恵まれていると認識している。
 → 中間支援団体について
全国の中間支援団体を見ると、自治体によって設置されたものが大半を占めているようだ。
真岡市でも、中間支援団体の立ち上げについては、市民の自発性に期待するだけではなく、市当局も何らかのアクションを起こすべきではないのか。
【答弁】 福祉や環境関係のNPO・ボランティア団体については、県に上部団体があるので、情報提供やアドバイスはそちらに期待した方がよいと思う。
 → NPO・ボランティア団体 及び
      ベンチャー企業の複合拠点施設について
今後検討するということであったが、中心市街地の再生、ベンチャー企業の支援、2007年問題など、早急に対応が求められている課題が絡んでおり、それほど悠長に構えていられないと考える。検討するにしても期限を設けるべきではないか。
【答弁】 NPO・ボランティア団体の活動場所については、現状でも十分確保しているものと認識している。
『MOP21』に入居しているベンチャー企業については、3年で自立することが前提であるため、その後も支援することは、公平性の面から疑問が残る。
 → 真岡鐡道の運営方針について
少子化による高校通学者の減少、さらには現在の原油価格高騰といったことを考えると、真岡鐡道の運営については、何らかの新しい基軸を打ち出す必要性があるのではないか。
では、これまで最重要課題として取り組んできたJR水戸線への乗り入れは、どこまで交渉が進んでいるのか。
【答弁】 東北新幹線の乗り入れに適した時間となると、JR側と『商売敵』の関係になるため実現は難しい。それ以外の時間帯は、水戸線の利用者が大幅に減少しているので、有効性に乏しい。
そのため、慎重に検討している。

要  望
『運命はなかなかのいたずらものだ。時代に乗り遅れたことで、かえって街に風情のある歴史的景観が残った。半周遅れは、視点を変えれば先頭だ』 これは、滋賀県長浜市・黒壁の商店街について、日本経済新聞の論説委員が書いた一文である。
今回、私が質問した3つの課題は、真岡市が他の自治体と比べて“半周遅れ”の感があるものだと考える。しかし、半周遅れたからこそ、他よりもっといいものができるとも言えるのではないだろうか。
真岡市は単に半周遅れなのか、本当は半周先を走っているのか、厳しく評価される今後の4年間だと思う。2期目の福田市制においては、諸所の政策実現に向けて尽力されるよう強く要望する。


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