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12 月 定 例 議 会

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『12月定例議会』の質疑・一般質問が13日(月)、14日(火)の2日間にわたって行われました。中村は今回、2日目にあたる14日の2人目として登壇し、

1.福祉行政全般の課題について
2.高齢者福祉について
3.芳賀赤十字病院における産科休止の問題について
4.佐野市が進める内陸港湾の計画について
5.真岡木綿の“地産地商”について

の5件について一般質問を行い、執行部との論戦を展開しました。


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質問:中村かずひこ
質疑・一般質問 答弁:福田 武隼 市長    .
   細谷 勝實 教育長   .    

 1.福祉行政全般の課題について
(1) 現在、保健福祉部門の各課は市役所本庁舎と北側庁舎に分散しており、市民が庁舎間を右往左往するケースが見られる。
栃木市では、今年度から保健福祉部門の全ての課を一箇所に移転させ、福祉の総合窓口を創設した。真岡市でも北側庁舎に保健福祉部門の全ての課を移転させるなどして、同様の取り組みを行うことはできないものか。
【答弁】 保健福祉部門の4課を1つのフロアにまとめることは最善の方策だが、現状の建物では困難である。現時点では、手続きで市民課との関連が多い健康増進課と児童家庭課のみ、本庁舎に配置している。
 今後も、市民の利便性を考慮しながら、よりよい配置を検討する。
(2) 福祉サービスは突然の必要性に迫られるケースが多い。にも関わらず、サービスの具体的な内容については分かりづらいのが実情である。
そこで、高齢者・障がい者・乳幼児の3分野について、福祉サービスの一覧表『福祉サービスメニュー表』を作成し、市内全戸に配布することはできないものか。
【答弁】 現在行っている福祉サービスは、内容が法令等によって細かく規定され、毎年のように改正されている。一覧表にして配布すると、毎年更新しなければならず、実施は難しい。今後も、広報やホームページなどで、情報提供していきたいと考える。

 2.高齢者福祉について
(1) パワーリハビリテーションは、高齢者の方々に負荷の軽い筋力トレーニングを行っていただくものであり、介護の予防や軽減、自立回復に大きな効果があると言われている。
すでに県内のいくつかの自治体では、このパワーリハビリテーションを事業化しているが、真岡市としては今後どのような形で取り組むのか、具体的な計画を聞きたい。
【答弁】 介護保険制度改革案では、平成18年度から『筋力回復トレーニング』などが導入される予定である。 真岡市としても、市直営で実施するか、外部委託するか十分検討し、平成18年度から実施できるよう準備を進めていきたい。
(2) ケアマネージャーは、介護者1人1人の介護プランを立案し、自治体や施設などとの連絡調整をする仕事である。現在、真岡市には54名のケアマネージャーがいるが、この人数で十分と言えるのだろうか。
また、今後は介護サービスも多様化するため、判定の中立性も一層求められると思う。社会福祉協議会などの中にもケアマネージャーを置くべきではないのか。
【答弁】 現在、54名のケアマネージャーの内、14名が看護士などの他の業務と兼務し、残り40名が専任であるため、必要数は十分確保されていると考えている。
ケアマネジメントの中立性をどう確保するかについては、現在国が進めている制度見直しの中で、体制の整備や研修の義務化などが検討されており、今後さらに中立性の確保が図られると思う。したがって、社会福祉協議会などにケアマネージャーを置くことは考えていない。

 3.芳賀赤十字病院における産科休止の問題について
(1) 平成17年5月1日で、芳賀赤十字病院の産科が休止する。これは新たに創設された『臨床医師研修制度』に伴い、各大学病院から派遣されていた医師が呼び戻されることになったためであるが、決して看過できる問題とは思えない。
『安心な場所で子供を産みたい』というのは、いつの時代でも女性の共通した願いであろう。そうした中にあって、芳賀赤十字病院での出産件数は年々増えていた。にも関わらず、今回の産科休止が決定したわけであるが、市としては今後の影響をどのように分析しているのか。
【答弁】 芳賀赤十字病院では、芳賀郡市内の出生届件数約1300件のうち、約3分の1を受け持っていた。今回の産科休止によって、市内の医院だけでなく、郡市外の医療機関に今まで以上に多くの人が通院や入院しなければならず、地域医療にとって重大な事態であると考えている。
(2) 産科が休止するという情報を受けて、真岡市や周辺の町ではどのような取り組みをしてきたのか。また、今後の対策は。
【答弁】 これまで、市や芳賀郡市町会では、芳賀赤十字病院に対して産科医師の招へいの要望書を出し、病院側もそうした要望書を持って、全国105ヶ所にのぼる医療機関に派遣要請をしてきた。数ヶ所の医療機関から『臨床研修が終わる2〜3年後には派遣可能』という回答を得ている。
しかし、それを待つだけでなく、今後も芳賀赤十字病院に対して強く要望していく。
(3) 真岡市や周辺の町が協力し、産科の医師を待遇面で支援することによって、医師の招へいを推進することはできないものか。
【答弁】 産科医師は全国的に不足しているものであり、待遇面が原因で休止になるわけではない。しかし、赤十字社の給与体系では(本棒を上げるのは無理だが)手当面では厚遇することが可能と聞いている。
芳賀赤十字病院に対して、産科医師について手当等を考慮するよう働きかけをしていきたい。

 4.佐野市が進める内陸港湾の計画について
(1) 現在、佐野市では石灰・砕石業者によって、国際港湾機能を持つ大規模内陸港湾の整備に向けた研究と準備が進められている。もともと掘削跡地であったため、すでに25万坪という広大な敷地が確保されている。
こうしたものが実際に事業を開始した場合、真岡市が工業団地の企業誘致において、物流面で優位に立つ佐野市の後塵を拝すようなことになりはしないだろうか。
【答弁】 『佐野内陸コンテナターミナル研究会』では、今後3年間で事業が成り立つかどうかなどを検討していくと聞いている。
真岡市としては、研究の進捗状況について情報収集に努めると共に、税関や検疫などの昨日が整備された場合、企業誘致などにどのような影響が及ぶかを見極めていきたい。
(2) 内陸港湾を積極的に活用し、中継基地的役割を真岡市に誘致・整備をする考えはないか。交通の要衝として付加価値をより高めることができ、企業誘致も有利に進められると思うが。
【答弁】 栃木、群馬、茨城の3県が共同で行う『広域連携物流特区構想』なども視野に入れながら、新たな機能を有する事業所の誘致について研究していきたい。

 5.真岡木綿の“地産地商”について
(1) 真岡木綿は手織りのため、織り手の人数を確保する必要がある。しかし、後継者がなかなか育たない現状では、発展にも限界があると考える。後継者対策について根本的な見直しが必要ではないか。
【答弁】 技術認定を受けた者については、できるだけ自立を促していきたい。また、必要に応じた講習を継続しながら、新規希望者を募り、順次後継者の育成が図られるよう改革していく。
(2) 『新世紀・公明クラブ』が視察に赴いた沖縄県石垣市では、市職員や議員がミンサー織り(石垣市の伝統的な木綿織り)のネクタイを着用したり、成人式の記念品として名刺入れをプレゼントしたりするなど、“地産地商”が推進されていることを強く感じた。真岡市としても取り組むべきではないか。
【答弁】 これまで成人式・立志式や市役所各課で使用する記念品については、優先的に真岡木綿を使用してきた。
しかし、市民に理解、認識を深めてもらう努力は不足していたと感じる。今後、PRの推進や新製品の開発、販路の拡大などに努めていきたい。
(3) これから年末年始にかけて帰省シーズンを迎える。真岡市出身者に木綿を買っていただき、今住んでいる地域でPRもしてもらえる絶好の機会である。
しかし、木綿製品の販売所である物産会館は、年末年始を例年休館としている。営業方針を見直すべきではないのか。
【答弁】 試験的に来年(平成17年)から正月2日・3日を営業日とする。

要  望
   真岡木綿の“地産地商”について
 真岡市出身者が故郷紹介する時、『益子焼で有名な益子町の隣です』という。いつの日か、益子の隣の真岡ではなく、『木綿の真岡です』と胸を張って言っていただきたい。
 このまちの誇りを復活させる。
そしてたった1つの小さな物でも市民が支え合って盛り上げていく。真岡木綿がその空気づくりのシンボルとして位置づけられれば、と思う。その第1歩として、“地産地商”や物産会館の年末年始営業を、ぜひ前向きに取り組んでいただきたい。

再 質 問
 → 福祉の総合窓口について
福祉関連の手続きに来た市民が市民課に行くケースというのは、申請に住民票が必要だからではないのか。前述の栃木市では、福祉の総合窓口でも住民票の発行などを行っている。真岡市も同じようにすればよいのではないか。
また、新年度の転入転出の手続きについては、例えば東京都荒川区のように、この時期のみ臨時の特設窓口を置いて全ての手続きをしてもらえるようにすれば、課題はクリアされるように思うが。
【答弁】 市役所各課の配置については、平成14年度に組織検討を行い、現在の姿が良いと結論を出した。
しかし、今後も市民の視線に立った、利用しやすい市役所を目指すべきであり、課の配置については、次回の検討委員会の中で議論をしていきたい。
 → ケアマネージャーについて
今議論されている介護保険制度の見直しには、介護プランの策定について、今後はケアマネージャーだけでなく行政も関与していくべき、との考えも盛り込まれるようだ。そう考えると、行政かそれに近い(社会福祉協議会などのような)場所に専門家をおく必要性が、将来出てくるように思うが。
【答弁】 職員については、市独自でも勉強会を行っており、新しい取り組みをするには支障がないと考えている。また、市内の医療機関などにも104名のケアマネージャー有資格者がいる。そうしたことも今後のプラスになるものと考えている。
 → 芳賀赤十字病院における産科休止について
現在のように、呼びかけをして応えてくれる医師を待つことが、ベストの選択肢であるとは思えない。難しい出産が予想されるため、宇都宮など別の地域の病院へ行くよう勧められている女性もいると聞く。
より招へいしやすい環境を整えて、芳賀赤十字病院の産科が再開されるのを促すか。また、市内にある民間の医療機関同士の連携を強めるか。行政からのアプローチが必要ではないのか。
【答弁】 不測の事態になった場合に、地域の委員間同士で連携する体制を作っていくことが必要になると考えている。

要  望
   福祉の総合窓口について
 栃木市では今回、福祉の総合窓口を創設した理由は『将来的にティーチプログラム*1をしていきたい』 との考えかららしい。これは、LD(学習障がい)やADHD(注意欠陥多動性障がい)の子ども達への対応が求められることになる全ての市町村で、将来必要になるだろう。
 真岡市の場合、北側庁舎に保健福祉部門がまとまってくれれば、隣が教育委員会でもあるため、福祉・教育双方の担当が連携するには好ましい環境になると考える。そうした視点からも、ぜひ保健福祉部門の移転と1本化について考慮していただきたい。
*1 ティーチ(TEACCH)プログラム
 福祉サービスについて障がい者を中心に考える取り組みで、自閉症や周辺発達の障がいを持つ子ども達に対して一生涯にわたる包括的な支援システムをつくること。もともと、アメリカのノースカロライナ州で実施されてきた。

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