簡単に製作できるDC-ACインバータ

 以前、DC-ACインバーターを製作した。その時は自分の勉強のために、色々な本を調べて複雑な回路のインバータを製作した。特に何かに利用することは想定していなかった。インバーターが自作できるかが第1の目的であった。
 今回はLED電球を点灯させる目的で、あらためてインバーターを製作することにした。従って出力は数10ワット程度で十分だが、代わりに無負荷での消費電力が少ないインバータをめざした。
 このインバータを利用して少し明るいガーデンライトを作ろうと思っている。ガーデンライトだけならば直流で点灯させれば良いが、クリスマスのイルミネーションライトで交流100Vで点灯させる物があり、このライトの利用も想定して、あらためてインバータを設計し製作した。
 
 部品のほとんどは秋月電子で購入出来る。主要部品であるトランスは、36AVの容量で1700円で購入できる。最大出力はこのトランスの容量で決まる。従って概ね30W出力のインバータとなる。目的にぴったり合ったトランスである。
 交流は正弦波ではなく、矩形波である。信号はNAND発振回路で発生させている。20kΩの半固定抵抗で周波数を、10kΩでHIとLOWの比率を変更する。完成後、無負荷での電流が最も小さくなるように10kΩで調整する。右の図は発振回路の部品の実体配線図である。

 完成後、回路図に示してある47μのコイルを挿入した。なくても特に問題はない。保護回路は、ヒューズだけである。発信が停止すると大電流が流れるので必ず入れないと危険である。電極の逆接続によるトラブルは入力端子に付けたダイオードで対応する。ダイオードが導通して強制的にヒューズを切る。
 MOSFETは、スイッチング周波数が60Hz程度なので、ほとんど発熱しない。写真のようにケース直接取り付けた。連続して20Wの蛍光灯を点灯させて動作を確認したとき、発熱する部品はトランスだけであった。少し暖かく感じる程度である。
 無負荷の状態で、13.49Vの電圧で出力は106.5Vの電圧となっている。なおこのテスターTRUE RMSで測定している。普通の交流電圧計で測定すると小さな値になるので注意したい。
 無負荷電流は0.23Aである。単純に計算して3.1Wの無駄な電力を消費する。

 15Wのハンダごてをつないで効率を計算したところ、この出力電力での効率は60%であった。以前製作したインバーターとほぼ同じであった。また秋月電子で購入したDC/ACインバーター ( 150W) ファンレスタイプ KV−150と比較すると、15W出力のポイントでは、若干今回製作した物の方が良かった。