フォトダイオード電子冷却の失敗

 マイク入力端子へ入力するより、ライン入力に信号を入力する方がS/N比で有利であると考えたことと、ソフトウエアでの入力レベルの設定の再現性が悪いので、ソフトウエアではMAXに設定し、レベルは半固定抵抗で調整することにした。そこで約10倍の増幅率のアンプを組み込んだ。アンプの電源は±2電源なので、チャージアンプの1000PでAC結合する箇所以外はDC結合とした。気になるオフセット電圧は数十ミリボルトで問題は無い。

 10倍の増幅率のアンプは反転増幅器を2段にして、段間の抵抗を10回転ポテンショメータとしてゲインを調整した。
  右の波形はベクモニの標準パルス波形である。大変きれいな波形でガウス近似波形に近い。
  ほぼチャージアンプ関連の回路は完成した。

 

 

フォトダイオード電子冷却の失敗

 岡村迪夫:放射線測定回路とシステム、日刊工業新聞社 P.173 にシンチレーション検出器に関する次のような記述があった。「案外知られていない点は温度変化に注意を要する点である。7〜10℃くらい以上のステップ上の変化が直接結晶に加わると、知らぬ間にクラックが入る恐れがある。」ペルチェ素子により冷却で、フォトダイオードの冷却を行ったが、繰り返している内に、温度を下げてもスペクトルの分解のが以前より悪化しているような感じを受けたので、ダイオードとシンチレーターをばらして様子を見てみたところ、ダイオード側より5mm程度のところにひびが入っていることがわかった。冷却用のアルミに密着させるために、少し力を入れて押し込んだのが直接の原因であると思っているが、この様な記述を発見したので、ペルチェ素子による冷却は必要最小限にする必要があると気づいた。結局、薄物・精密切断のこぎりで約5mmを切り取り、長さ5cmのシンチレータが4.5cmになってしまった。