PICを使ったオーディオタイマー

 

 設定した時刻で電源のオン・オフをする時計,いわゆるタイマーをPICで製作した。毎朝6時にオーディオセットの電源をオン,6時半にオフのような動作させる。さらにスリープタイマー機能も盛り込んだ。  最近のコンポはアンプの中にこのような機能が内蔵されている。したがってオーディオタイマーは殆ど目にすることがなくなった。  我が家のオーディオシステムのアンプ類は全て自作。プリアンプ・チャンネルデバイダー・3台のパワーアンプによるマルチチャンネルシステムである。電源を入れていく順序,電源を切る順序を守らないとスピーカーをこわしてしまう。従って順番に電源をオン・オフするシーケンス回路が必要になる。
  今まで利用していたタイマーは,電源同期式のデジタルタイマーで,スリープタイマーがうまく動作しなくなってしまった。回路図も紛失し打つ手がなくいなったので2号機の製作に取りかかった。  電源同期式のタイマー(時計)は精度が悪いように感じる人も多いだろうが,実はきわめて高精度である。電波時計にはかなわないが,下手な水晶時計より狂いは少ない。以前東京電力の技術者の方に聞いたところ,電源の波数をカウントして補正していると話してくれた。毎日東京電力で時計あわせをしてくれているような感じである。年間を通して数秒程度の誤差ではないかと思う。ただし時々電気の使いすぎでブレーカーが落ちるので確認はしていない。

機能・性能

  秋月電子で購入した高精度水晶発振モジュール(12.8MHz)をクロックに使い,PIC16F876Aに320μ秒毎にタイマー割り込みをかけて時間を刻む方法を採用した。時刻の表示は7セグメントLED4個をダイナミック点灯させた。
   これがタイマーのフロントパネルである。モードスイッチを押すと順に,時刻(時:分) −時刻(分:秒)−スリープタイマー残時間−タイマーオン時刻−タイマーオフ時刻−時刻合わせと切り替わる。

 Timerボタンを1回押すと,オンになる時刻の設定,2回目でオフになる時刻,3回目で,赤いLEDが点灯してタイマーが設定されたことを表示する。このLEDが点灯しているときにTimerボタンを押すとLEDは消灯し,タイマーが解除される。  sleepボタンを押すと7セグメントLEDに90:00が表示される。この状態でUP,DOWNボタンを押すと電源がオフになるまでの時間を変更できる。再度sleepボタンを押すと青LED,白LEDが点灯する。白LEDが点灯するとリレーがオンになり機器の電源が入る。設定した時間が過ぎると青LEDが消灯し白も消える。  Powerボタンは機器の電源スイッチで白LEDが点灯し内蔵のリレーがオンになる。  2つあるトグルスイッチはON−OFF−ONの接点を持つタイプで,OFFの位置(中立)に設定しておくと,白LEDのON・OFFに連動してリレーが動作する。リレーは2つ有り,左側のトグルスイッチに連動する方はすぐに接点がONになり,OFFになるには10秒程度の時間がかかる。左側は10秒程度遅れてONになり,OFFの動作時間は遅延は生じない。  停電に備えて1Fの電気二重層コンデンサーを内蔵した。停電時表示LEDは消灯するが約3分間時計は動作を続ける。

 

回路

フローチャート

BASICソースファイル

写真

 使い始めて約2ヶ月が経過した(現在4月)。電波時計で時間を合わせて,狂いを見ているが,現在1秒ほどオーディオタイマーの時計は進んだ。月差1秒程度と推定している。十分な性能である。